★ジョウトリーグ編★

総評
OPもまさに風雲急をつげるかの如く、今までと曲調のまるで異なるものとなり(唄の内容もバトルのみにしぼった
「ライバル」に多少不満のあった僕にとっては世界全体、
サトシの生き方全体を唄うものに戻ってくれたことも満足であった。)BGMにそのアレンジが今までと違い多用される
ようになったこともあって、それだけでまるで今までとは別
の作品のような印象さえ受ける。

感動話の続いた年末年始は問題なかったのだが、特に春あたりはどうもサトシ&ピカチュウとカスミ&タケシ間との
隔たりが、本当に一緒に旅をしているのが疑わしくなる
くらい大きいものであったのと、主役であるにもかかわらずヨゴレ役や話の牽引役をタケシに任せっぱなしで人との
コミュニケーションを極力避けているようにもみえるサトシが
どうも特に一時期気になったものである。よくタケシばかりが
海外向けにおねえさん好きが強調されてると、やり玉に
あげられるが本当に問題なのはそのタケシの強力な
ネタフリ(?)に対しての、あきれるだけのサトシ、(惚れて
いるわけでもない?のに)以前と違い妙にヒステリックに
耳を引っ張るだけのカスミといった受け手の方のような
気がしてならない。

ポケモンひとすじのサトシ君は決して嫌いではないのだが、本当にポケモンひとすじな人間が果たして本当に主客
おりまぜた形でポケモンのことを理解できるのか疑問視
してしまう。現に「異性好き」という同じ嗜好を持つからこそタケシとワニノコの、あのポケモンと人間の区別を気にとめて
ないやりとりが成り立っているわけで。
そういう点ではサトシよりタケシはもちろんのことロケット
団の方がよほどポケモンとの付き合い方が上手のような
気がする。結局ポケモンにポケモンとして
遠慮したところがあるうちは・・・なところですかな。
・・・・ちょっと哲学しすぎたかニャ?

あとは最近、毎回毎回森と泉に囲まれた(笑)場所ばかりで
(いくらウバメの森前後とはいえ)単調さに拍車をかけてるところも気になるかな?コガネシティ以降どうなるのかに
期待したいですね。

そして「メリープとまきばのしょうじょ」で思わず感涙させてくれたサトシの成長ぶりがコガネジムでのリーグ初の敗戦も
含めてどう描かれるのかにも!

                                    
                  2000.8.3 まるっさ
『アズマオウ!フィッシングバトル!』・・・ラスト、優勝商品
のチョコレートを配分するカスミ、そしてそれを少し距離をお
いて手すりに持たれかけた状態で見やるサトシとタケシ。

ストーリー的には重要でもなんでもないシーンではあるが、
僕としてはこういった、意識せずともこういった空間を当たり
前のように持ててている三人を求めていたのかもしれない
な、と振り返るたびにじわじわと思うのであった。

せっかくみんなで旅しているのに各自がポケモンばかり、
おねえさまばかり(笑)、耳ひっぱりばかり(おい)とてんで
ばらばらじゃあ・・・ものたりないかなと(もちろんテレビで
描かれていることが全てではないにせよ)ここ最近思って
いたので。

よく『ポケモンのアニメだからポケモンをメインにすべき』と
いう意見を目にするが、ポケモンアニメである以前にいち
アニメ作品である以上は同じレギュラーである人間とポケ
モンのいずれかにのみ力をいれて・・といった発想はそもそ
もおかしいのでは?と思う。かといって常に全ての話に
おいて両方とも過不足なく描けばいいというものでもない(
話がいっそう限られてくる)ので、結局のところテレビにせよ
映画にせよ、『ポケモンメイン』、『人間メイン』、『両方メイ
ン』の話が同じくらいの間隔で存在するのが一番ではない
かと個人的に思う。人間、ポケモンそれぞれにファンがいる
からなのはもちろんのこと(笑)なによりこのアニメ作品は、
ともすれば『主役やその敵対者がその目的を達成する
ための手段やパートナー』としてのみ描かれがちな超常的
な力を持った存在を、人間やその人間の目的とは関係の
ない独立したアイデンティティを持つものとして描くのに
成功している
のだから・・・。

                   2000.10.14 まるっさ

(各話ごとの簡単な解説とレビューは随時更新していく予定です!)