映画ハートキャッチプリキュアレビュー・その1(総評)
*話の流れ・セリフ等は正直うろ覚えなところもあるのでご了承ください(汗)

めちゃくちゃ震えるほどに泣けた。
少なくとも【多角的】な作品と言う点で今までのプリキュア映画とは『格』の
違いというものを感じました。
もちろん賛否を含めた具体的な評価の内容自体は人それぞれにしましても、
劇場公開から半月・・・どの感想サイトでもまず目にする評価がその『格の
違い』ということだったりします。明らかにこれまでとは一線を画すクオリティが
この作品にはあります。

いやいやぶっちゃけた話、見る前まではフツーにシンプルな勧善懲悪もので
『鏡の国』のシャドウポジションな感じのサラマンダー男爵によってラスボス
な化け物にされたオリヴィエをどうにかこうにかして救ってオシマイ、な話と
しか考えてなかったので、その意外すぎる話の内容そして結末にいい意味で
裏切られ驚かされ・・・そして感動させられましたw 
今月(2010年11月)だけですでに4回観ちゃいましたが時間が長すぎず短す
ぎずで全然飽きず・・・このまま休みのたびに観に行きそうな勢いです。

・・・先に【多角的】と書きましたが、これは主に以下の3つの面においてで
あり、いずれも今までの映画では感じられないものでした。

1.プリキュアの異世界での活躍で終わらない。
2.プリキュアサイドのドラマだけではない。
3.視聴者の視点=プリキュアサイドの視点だけでは終わらない。

1.に関してはもちろん今回は前々からパリを舞台にする、今までと違い
現実世界が舞台というのは告知されておりましたが、単に舞台だけでなく、
オリヴィエ視点を利用してこれまでTV版で描かれてきたつぼみやえりか、
いつき達の『日常』も劇場においても描かれており、これまでの単に異世界で
戦ってオシマイ、という『特殊』さだけに終わらず、両方描かれているというの
が今回まず印象的でした。それだけで今までよりグッと視野の広さを感じさせ、見ているこちらも狭苦しさを感じず、ゆったりとした気分で観ることができ
たと思います。今までの作品の中でしたら同様に傑作である『雪空のともだち』が(後半舞台が普通の雪山、志穂・莉奈達の様子も描かれている)これに近いかと思います。
2.に関しては、今までの単に敵サイドにカメラを回して紹介、では終わらずオリヴィエを仲介にして終盤まで今回の【敵】であるサラマンダー男爵とオリヴィエのドラマがプリキュアサイドのドラマと交互に描かれていたのが特徴的でした。
そして3.に関しては終盤まで視聴者視点=プリキュア視点だったのが、終盤燃え盛る炎の中、サラマンダー男爵の心を救うべく集まった四人のプリキュアの姿を観る視聴者の視点は完全に第三者あるいはオリヴィエ視点に変わっており、まさに頼もしくそして神々しい正義の味方達を見守る側に移行したのがなんとも面白かったです。おかげで客観的にプリキュアのカッコよさを堪能できたのですから。

ともかく以上が僕がこの映画の今までの作品に対して【格の違い】を感じた
主な理由かと思います。まさにテレビ版の集大成でもありかつオリヴィエ&サラマンダーという映画オリジナルキャラによる独自のドラマまでも楽しめてしまう【多角的】な作品です。5回目・・・いっちゃおうかな!?(結局行きました)

果たして来年のプリキュアの映画はどうなることやら・・・くれぐれもフレッシュみたいに変に子供向けにシンプルに逆行しないことを祈りたいところです。そりゃなんでもかんでも世界にご迷惑おかけした輩を処罰もなしに救うパターンばかりもアレですけどねw

*次からは話に沿っての感想ですww             

                 ★1・

                        2010.11.18 まるっさ

 
   

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